コタツの上がよく似合う、甘酸っぱくみずみずしい冬の定番フルーツであるみかん。私たちが普段何気なく「みかん」と呼んで食べているものの多くは、実は温州みかん(うんしゅうみかん)という品種群を指しています。
「正しい読み方は?」「普通のみかんと何が違うの?」など、意外と知られていない疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、温州みかんの正しい読み方や意外なルーツ、美味しいみかんの選び方までわかりやすく解説します。
温州みかんとはどんな柑橘?読み方・歴史・産地の基本をおさらい
お店や果物コーナーで一年中さまざまな柑橘を見かけますが、そのなかでも日本の食卓で最も親しまれているといえるのが 温州みかんです。
まずは、漢字の読み方や名前の由来、歴史的な背景などの基本から整理していきましょう。
「温州みかん」の正しい読み方は?名前の由来と日本生まれのルーツ
「温州」という漢字から「おんしゅうみかん」と読んでしまいそうになりますが、正しい読み方は 「うんしゅうみかん」 です。
漢字の印象から「中国の温州(おんしゅう)地方から伝わったのでは?」と誤解されがちですが、実は鹿児島県長島が発祥とされる日本生まれの柑橘なのです。
柑橘の名産地として古くから名高かった中国の温州府にあやかり、敬意を込めて名付けられたといわれています。
近年の研究によると、温州みかんは「キシュウミカン」と「クネンボ」という柑橘が偶然掛け合わさって誕生したと推定されています。中国の地名を名前に持ちながらも、実際は日本の地で大切に育まれてきた歴史ある果実なのです。
「みかん」と「温州みかん」の違いとは?
結論からいうと、一般に私たちが「みかん」と呼んで食べている果実の多くは、温州みかんです。
「みかん」という言葉は、果実の呼び名として「手で皮がむきやすい小型の柑橘類」全般を指します。そのなかで日本で圧倒的に多く栽培され、私たちに最も身近な存在となっているのが温州みかんです。農林水産省でも、「みかん」は皮をむきやすい小型のかんきつ類の総称であり、一般には収穫量の多い温州みかんを指す言葉として使われると説明されています。
- みかん: 手で皮がむきやすい小型の柑橘類を指す、一般的な呼び名
- 温州みかん:日本で広く栽培されているみかんの代表格。収穫時期や味わいの異なる多くの品種があり、皮がむきやすく、種が少ないことが特徴です。
つまり、スーパーなどで一般に「みかん」として売られている果実と「温州みかん」は、別の果物ではありません。冬にこたつや食卓で親しまれている、あの食べやすくて甘酸っぱいみかんの多くが温州みかんです。
秋口から出回る「極早生(ごくわせ)」や「早生(わせ)」、冬本番に楽しむ「普通温州」などのタイプがあり、たとえば「ゆら早生」「宮川早生」「青島温州」といった個別の品種が栽培されています。
約190年の歴史と潮風が育む!「長崎みかん」の魅力
全国的には和歌山県や愛媛県などが有名ですが、実は長崎県も全国5位の生産量を誇る一大産地です。
長崎での栽培歴史は古く、江戸時代後期の天保年間(1830年頃)から約190年以上にわたって技術が受け継がれてきました。海からの潮風と暖かな太陽の光をたっぷり浴びる恵まれた環境で、甘みのギュッと詰まったみかんが育ちます。
また長崎県では、厳しい糖度基準などをクリアした「味ロマン」や「長崎の夢」といった独自ブランドを展開しており、「長崎みかん」として全国に多くの根強いファンを獲得しています。秋口の10月から春先の3月にかけて、さまざまな品種をリレー形式で収穫しており、時節ごとに変化する味わいを楽しめます。
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温州みかんの味わいと気になる栄養成分
温州みかんがこれほどまでに身近で愛されている理由は、手軽に食べられる手軽さや、誰もが楽しめる美味しさにあります。
ここでは、温州みかん特有の味わいの特徴や成分について紐解いていきます。
種が少なくて食べやすい!温州みかんの植物学的な特性
温州みかんは、受粉・受精をしなくても果実が育つ「単為結果性(たんいけっかせい)」という性質を持っています。そのため、基本的に種がほとんど入らない食べやすい実になります。
なお、栽培されている周囲の環境(近くに別の柑橘があるなど)によっては受粉して種が入る場合もあります。「絶対に種がない」というわけではありませんが、手軽に食べられる秘密はこの植物学的な性質によるものです。
甘みと酸味の絶妙なバランス!季節で移り変わる奥深い味わい
温州みかんといえば、小さなお子様からご年配の方まで親しみやすい、爽やかな甘酸っぱさが特徴です。甘みと酸味の程よいバランスは、つい何個も食べたくなってしまう魅力の一つですよね。
出回り始める秋口のものは甘酸っぱさが際立ち、冬が深まるにつれてコクのある濃厚な甘みが乗ってきます。季節の移り変わりとともに味わいの変化を感じられるのも、温州みかんの見どころといえます。
ビタミンCだけじゃない!みかんに含まれる注目栄養成分
「みかん=ビタミンC」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実はそれ以外にも健やかな毎日を支えるさまざまな栄養成分が含まれています。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、温州みかん(じょうのう/普通/生)の可食部100g当たりの主な成分は以下の通りです。
| 栄養成分 | 可食部100g当たりの含有量 | 役割・特徴 |
|---|---|---|
| ビタミンC | 32mg | 美しさと元気を支えるビタミン |
| β-クリプトキサンチン | 1,700μg | 鮮やかなオレンジ色のもととなる色素成分 |
| カリウム | 150mg | 体内の水分バランス維持に役立つミネラル |
| 食物繊維総量 | 1.0g | じょうのう(薄皮)や筋に多く含まれる整腸成分 |
みかんの薄皮や白い筋には食物繊維やヘスペリジンといった成分が含まれているため、皮を剥いてそのまま丸ごと食べるのが効率よく栄養を補給するコツです。
【お店で迷わない】甘くて美味しい温州みかんを見抜く4つのチェックポイント
温州みかんを選ぶとき、美味しいみかんを選びたいですよね!そんな時は、お店で次の4つのポイントから、見た目をチェックしてみましょう。
ヘタが小さいもの
ヘタの切り口が小さいほど、果実が甘くなります。木になっているときに軸が太いと水分が沢山送られ大味になりやすいのですが、軸が小さい(ヘタが小さい)場合は水分が果実にあまり送られず、味がギュッと凝縮され濃厚な甘さになります。また、ヘタは緑色よりも黄色に近いものほどよく熟している証拠です。甘みも黄色に近いものの方が甘みが強くなります。
表面のきめが細かく、皮が浮いていないもの
みかんの皮にあるブツブツとした模様は「油胞」と呼ばれ、この斑点のキメが細かければ細かいほどみかんが甘くて美味しいという証拠になります。また、手に持ったときに皮と果肉の間に隙間がなく、ピッタリ張り付いてずっしり重みがあるものを選びましょう。
形が平べったい(扁平な)もの
見た目が同じように見えるみかんですが、見比べると形が丸いもの、上から押しつぶしたような扁平形なものなど形は少しずつ違います。みかんは横に成長するときに甘さを蓄えると言われているため、横長の形ほど甘いと言われています。
果実全体が濃いオレンジ色のもの
太陽の光をいっぱい浴びたみかんほど、皮が濃いオレンジ色になります。光合成をたっぷり行うことで甘みがどんどん増していくため、色ムラがなく全体が濃いオレンジ色になっているものがおすすめです。
ただし、9月〜10月頃に収穫される「極早生みかん」や「早生みかん」は、完熟していても皮やヘタに緑色が残っている(青みが買っている)のが特徴です。「皮がオレンジ色じゃないから甘くない」というわけではなく、この時期ならではの爽やかな酸味とすっきりした甘みを楽しめます。時期に合わせて選ぶ基準を参考にしてみてくださいね。
カビや潰れを防いで長持ち!箱買いみかんを長く楽しむ保存のコツ
冬場にみかんを箱買いした際、「途中で傷ませてしまった…」という経験はありませんか?
産地の農家では、収穫したみかんを「予措(よそ)」と呼ばれる工程で風にあて、皮の余分な水分を軽く飛ばすことで保存性を高めています。ご家庭でも以下の3つのポイントを意識するだけで、ぐっと長持ちします。
届いたらすぐに箱を開けて、全体の傷みをチェックする
箱の中に傷んだ実が一つでもあると、そこからカビが発生し、周りの健全なみかんにまで一気に移ってしまいます。到着したらすぐに箱を開け、底の方まで全体を確認して、傷んでいるものがあればあらかじめ取り除いておきましょう。
上から順に取らず、傷みやすい「下の方の実」から食べる
みかんは箱の中で上からの重みが常にかかり続けるため、どうしても底の方にある実から傷みやすくなります。上から順に取るのではなく、重みの負担がかかっている下の方の実から優先して消費していくのが長持ちさせるコツです。
風通しの良い冷暗所(5〜10℃)に置き、ヘタを下にして並べる
暖房の効いた部屋の暖かさは傷みを早め、箱のフタを閉め切ると湿気がこもってカビの原因になります。箱のフタは開けたまま、風通しの良い玄関や廊下などで保管しましょう。
また、柔らかいお尻側ではなく、皮が硬い「ヘタ」を下に向けて置くことで、果実が自分の重みで潰れるのを防げます。
温州みかんの親戚!あわせて食べたい人気の注目柑橘一覧
温州みかんのシーズン中から春先・夏場にかけては、温州みかんの血統を受け継いだ魅力的な品種や、独自の個性を持つ柑橘類が次々と店頭に並びます。
それぞれの特徴や旬の時期をまとめました。
温州みかんとあわせて、ぜひ季節ごとの味わいを楽しんでみてください。
| 名称 | 特徴と味わい | 旬の時期 |
|---|---|---|
| せとか | 「柑橘のマグロ」と称されるほど濃厚な甘みとみずみずしさ。皮が薄く、トロリととろける食感が特徴です。 | 2月頃 |
| 不知火(デコポン) | ポコッと出っ張ったヘタが目印。甘みが強くコクがあり、皮が剥きやすく種もないため食べやすい品種です。 ※「デコポン」は登録商標名。 |
2月〜5月頃 |
| ポンカン | インド原産でみかんの親戚にあたる品種。温州みかんより甘みとコクが強く、独特の甘い香りが楽しめます。薄皮ごと食べられます。 | 11月〜2月頃 |
| はるみ | 果肉の粒がプチプチとしていて果汁たっぷり。爽やかなオレンジの風味があり、種が少なく薄皮ごと食べられます。 | 2月〜4月中旬頃 |
| 甘平(かんぺい) | 薄い外皮の中に甘い果肉がぎっしり詰まっています。栽培が難しく市場出回りが少ない高級品種です。 | 1月上旬〜3月上旬頃 |
| 文旦(ぶんたん) | 柑橘類の中で最大級の大きさ(最大2kg)。皮が厚く日持ちが抜群で、上品な甘み・酸味とほろ苦さがあります。 | 12月〜3月頃 |
| バレンシアオレンジ | 爽やかな甘酸っぱさが魅力。国産(和歌山県など)は非常に希少で、冷蔵庫で冷やして食べるのがおすすめです。 | 6月中旬〜8月頃 |
| シークワーサー | 沖縄原産の小粒な柑橘。強い酸味と爽やかな香りが特徴で、緑色の時期はポン酢やドリンクの風味付けに、熟すと生食もできます。 | 【青切り】8月下旬〜9月 【完熟】12月下旬〜2月 |
| ゆず | 強い酸味と華やかな香りが魅力。果汁を絞ったり皮を削ったりして、料理や飲み物の風味付けとして親しまれています。 | 【黄ゆず】11月中旬〜1月 【青ゆず】夏場 |
| かぼす | 大分県特産の柑橘で、スダチより一回り大きめ。爽やかな酸味と香りが特徴で、魚料理や汁物の引き立て役に最適です。 | 9月頃(旬のピーク) ※ハウス栽培で通年入手可 |
生食で甘みを味わう「中晩柑(ちゅうばんかん)」から、料理のアクセントに使う「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」まで、柑橘には温州みかん以外にも様々な種類があります。ぜひ、時期ごとの旬を楽しんでみてくださいね。
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食べ切れないときにも!簡単に作れる温州みかんのアレンジレシピ
箱で買ったみかんがたくさんある時や、少し味わいを変えて楽しみたい時は、手軽に作れるアレンジレシピを試してみませんか。
素材の甘みをそのまま味わう「生絞りみかんジュース」
みかん本来の甘酸っぱさを贅沢に味わえるフレッシュジュースです。
材料
- みかん・・・5個
- 砂糖または、蜂蜜・・・大さじ1(量はお好みの甘さにあわせて)
作り方
- みかんの皮をむきミキサーに入れる
- 1に砂糖、または蜂蜜を入れ、撹拌する
- 混ぜ終わったらそのまま召し上がっても大丈夫ですが、袋やスジが気になるようなら、ガーゼやザルでこします。
ぷるんと食感が楽しい「ごろっと丸ごとみかんゼリー」
お子様のおやつや食後のデザートにもぴったりな簡単ゼリーです。
材料
- みかん・・・3~4個
- 粉ゼラチン・・・5g
- 砂糖・・・大さじ1~2(お好みで)
- 水・・・100㏄
作り方
- 鍋に水100㏄とゼラチンを入れてふやかす。
- みかんは横半分に切って絞る。残った実を果汁と合わせる。
- 鍋に火をかけ、ゼラチンが溶けたら砂糖を加える。火を止めてから、みかんの果汁を合わせる。
- 2を型に入れて冷蔵庫で固まるまで冷やせば完成。
まとめ|旬の温州みかんで、毎日の食卓に小さな幸せと笑顔を
甘さの中に爽やかな酸味と華やかな香りを持ち合わせた温州みかんは、10月から3月頃まで味わうことができます。秋から冬にかけて長く楽しめる温州みかんですが、早生、中生、晩生の品種により美味しさが変化します。旬の時期には、ぜひ美味しさの違いを味わってくださいね!
- 温州みかんの特徴:鹿児島発祥の日本生まれで、種がなく手で簡単に剥ける柑橘。秋の爽やかな甘酸っぱさから冬の濃厚な甘みまで楽しめます。
- 長崎みかんの魅力:江戸時代から続く全国5位の産地。太陽と海の反射光で甘みが凝縮され、「味ロマン」などのブランドや秋〜春のリレー出荷が人気です。
- 選び方と保存のコツ:ヘタが小さく平べったい形が甘い印。箱買い時はすぐ傷みを点検し、下の実から食べつつ冷暗所でヘタを下にして保存します。
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