カート

ログイン

会員登録

検索

メニュー

閉じる

【保存版】管理栄養士監修!びわの栄養価と期待できる効果を徹底解説!食べる際の注意点もご紹介

【保存版】管理栄養士監修!びわの栄養価と期待できる効果を徹底解説!食べる際の注意点もご紹介
鈴木 亜子
監修者

鈴木 亜子

管理栄養士

初夏の果物びわは、甘くて美味しいだけでなく栄養価も高いことをご存知ですか?びわにはビタミンCやカロテノイド、カリウム、食物繊維など、健康に良い栄養素や成分がたっぷり。これらの栄養素を摂取することで、さまざまな効果が期待できます。この記事では、びわの基礎知識や含まれる栄養素、期待できる効果をご紹介します。食べる際に注意すべきことについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

びわとは?旬や産地、品種などの基礎知識

まずはびわとはどんな果物なのかチェックしておきましょう。


びわの歴史や名前の由来

中国南西部が原産のバラ科の常緑高木「びわ」。日本では四国や九州に自生しています。「びわ」の名前は、果実の形が古代に中国から日本に伝来した弦楽器「琵琶(びわ)」に似ていることから付けられたといわれています。

びわの旬や産地

びわの旬は産地によって異なりますが、一般的には5〜6月頃。初夏の果物であるといっても良いでしょう。産地は長崎県をはじめ、千葉県などが有名です。

びわの品種や特徴

びわには多くの品種があり、それぞれに特徴があります。代表的な品種とその特徴は以下の通りです。

びわに含まれる主な栄養素

びわには、糖質をはじめビタミンCやビタミンB群、鉄、亜鉛などさまざまな栄養素が含まれています。ここではびわに豊富に含まれる栄養成分をご紹介します。


食物繊維

食物繊維とは食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されない成分の総称です。消化されずに大腸まで届き、健康に良い影響をもたらします。

食物繊維には整腸作用のほか、食後の血糖値上昇を緩やかにしたり余分な脂質などを吸着し体外へ排出したりする作用があります。

カリウム

カリウムは体に必須のミネラルの一種。同じくミネラルの一つであるナトリウムとともに体内の浸透圧を調整し、水分バランスを保つことに関わっています。

その他、筋肉の収縮や神経伝達にも重要な役割を果たしています。

カロテノイド

びわにはカロテノイドの一種「β−カロテン」「β−クリプトキサンチン」が豊富に含まれてます。カロテノイドは動物や植物に存在する黄〜赤色を示す色素。強力な抗酸化作用で、老化の原因となる「活性酸素」を除去する働きがあります。

びわを食べることで期待できる効果

美味しいびわを食べることでカリウムやカロテノイド、食物繊維など健康に良い成分が得られるのはうれしい限りですね。これらの栄養素を補給することで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

便秘の解消

びわに含まれる食物繊維の主な働きは整腸作用です。食物繊維を十分に摂取すると、便の体積が増えます。便の体積が増えると腸が刺激されて働きが活発になるため、便秘の改善が期待できるでしょう。

また食物繊維は腸内に存在する腸内細菌のうち、体に好影響をもたらす「善玉菌」の増殖に関与します。食物繊維が善玉菌の栄養源となって数を増やし、腸内環境の改善に役立ちます。

生活習慣病の予防・改善

びわに含まれるビタミンCやカロテノイド、カリウム、食物繊維は、生活習慣病の予防や改善に役立つ栄養成分です。

カロテノイドやビタミンCには、強力な抗酸化作用があります。体内の脂質の酸化を防止し細胞の老化防止に働くカロテノイドの補給は、血管の老化を防ぎ動脈硬化や高血圧などのリスクを低減する効果が期待できるでしょう。

また、カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出し高血圧の予防に重要な役割を果たします。

食物繊維には整腸作用のほか、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり余分な脂質やナトリウムを吸着して体外へ排出する働きがあるため、糖尿病や脂質異常症、高血圧の予防および改善に役立つでしょう。

免疫機能の維持

びわに含まれるビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質は、活性酸素による細胞の損傷を防ぐ作用があります。このような理由から、免疫細胞の働きを正常に保つことで免疫機能を維持する作用があるといえます。

びわを食べる際の注意点

びわは甘くて美味しい果物ですが、食べ過ぎや体質によっては体に悪影響を及ぼすこともあります。ここでは、びわの食べ過ぎによる影響やアレルギーなどについて解説します。

食べ過ぎるとお腹の不調につながることも

びわの食べ過ぎは食物繊維や水分の摂り過ぎを招き、腹痛や下痢、消化不良を引き起こす可能性があります。また、便秘解消が期待できる食物繊維も、摂り過ぎるとかえって便秘を悪化させてしまうことも。

びわの1日あたりの適量は5〜6個が目安。せっかくの美味しいびわで体調不良にならないように適量を目安に食べるようにしましょう。

アレルギー症状に注意

びわを食べると口の中がイガイガしたり痒みが出たり、喉が詰まるような症状を引き起こしたりすることがあります。このような症状は「口腔アレルギー症候群」と呼ばれ、花粉症との関連が大きいといわれています。

アレルギーを持つ花粉と似た形のたんぱく質を含む果物や野菜を食べることが、花粉症の方が口腔アレルギー症候群を引き起こす原因です。ほとんどの場合は時間とともに症状は消失しますが、まれにアナフィラキシーショックという重篤な症状を起こすこともあります。

びわを食べて体調に変化があった場合は、念のため医療機関を受診しましょう。

種は絶対食べない

びわの種の中心部「仁(じん)」には「アミグダリン」という有害物質が含まれています。アミグダリンは体内で分解されると「青酸(せいさん)」という毒性の高い物質が発生します。青酸を多量に摂取すると頭痛やめまい、嘔吐などの中毒症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもあるため、絶対に食べないようにしましょう。

びわのがんに対する効能について

びわの種子に含まれるアミグダリンは「健康に良い成分である」「がん細胞を攻撃する」などの効能が謳われていることがあります。かつてはアミグダリンを「ビタミンB17」と称していたことがありましたが、体に必須の栄養素ではないアミグダリンはビタミンの定義にも該当せず、現在では否定されています。

そもそもこのような話が出てきたのは、1970年代にアーモンドの種子(仁)から抽出されたアミグダリン(別名:レートリル)が、がんの増殖抑制効果があるとされ、アメリカやメキシコなどで治療に用いられていた時期があったからです。

しかし、がん抑制の根拠はその後の研究により確認できなかったことから、現在ではアメリカ国内でのレートリルの販売が禁止されています。

こういった状況にもかかわらず、現在でもレートリルは「アミグダリン」や「ビタミンB17」としてネット上で流通していることが確認されており、摂取によって重篤な症状に陥ったケースも報告されています。

このような商品をネットで購入して利用したり、びわの種子を粉末にして摂取したりすることは絶対に避けましょう。

まとめ

初夏に旬を迎える美味しいびわ。びわにはさまざまな栄養素が含まれており、食べることで健康づくりにも役立ちます。ただし、食べ過ぎるとかえって健康を損ねてしまうこともあるため、適量を目安に摂取してくださいね。

名産地の美味しいびわで、心と体を癒しましょう。

一覧へ

鈴木 亜子
監修者

鈴木 亜子

管理栄養士

大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。