みかんを購入する際「甘くて美味しいみかんを手に入れたい!」と誰もが思うのではないでしょうか。この記事では、みかんの糖度にまつわる情報をご紹介します。みかんの糖度への理解が深まると、美味しいみかん選びに役立ちます。みかんの糖度について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
みかんの糖度
甘くて美味しいみかんを手に入れたいなら、糖度についての知識を身につけておくと良いでしょう。ここではみかんの糖度について解説します。
みかんの糖度とは?
果汁100gの中に含まれる糖の量を表す値が「糖度」です。糖度は果物に含まれるブドウ糖や果糖、ショ糖などの糖のうち、ショ糖を測定し、「度」や「%(パーセント)」の単位で表します。
数値が高ければ高いほど甘くて美味しいみかんであると思われがちですが、そうとも限りません。甘さと酸味のバランスや食感など、みかんの美味しさには多くの要素が関わっているのです。
みかんの糖度の平均値と最高値
みかんの糖度は、収穫時期や品種によって変化します。みかんの糖度の平均値は、概ね10〜12度程度。一般的には11度以上が甘くて美味しいと感じられる糖度であるといわれており、13度以上ともなると「高糖度」と謳われることが多くなっています。
みかんの糖度の測定方法
みかんの糖度は機器を用いて測定します。ここでは、みかんの糖度を測定する2通りの方法についてご紹介します。
屈折計を用いて糖度を測定する
まずは光の屈折(くっせつ)から糖度を測定する屈折計を使用する方法です。屈折計は、液体に溶け込んでいる固形物の濃度により光の屈折率が変化する仕組みを利用した機器で、果汁中の固形物の濃度から糖度を調べます。果物の場合は含まれる糖が固形物であると認識されますが、みかんやレモンなど酸味のある果物は、この酸味のもととなるクエン酸などの成分も光を屈折させる要因となります。酸味成分を多く含むみかんの糖度を屈折計で測定する場合は、糖以外の成分の影響を受けていると考えておいたほうがよいでしょう。
光センサーで糖度を測定する
もう一つの方法は、光センサーを用いる方法です。この方法はみかんに近赤外光を照射し、光の吸収度から糖度を判別します。光センサーは皮をむかずに糖度を測定できるため、選果場などで用いられています。屈折計で糖度を測定するよりも、信頼性の高い値が得られる方法です。
糖度の高いみかんの見分け方
みかんの糖度は機器を使って測定できますが、お店で購入する際は見た目で判断するしかありません。糖度の高いみかんをゲットするには以下のような点に着目してみましょう。
- ガク(軸の周りのギザギザ)が黄色
- おしり側が丸くへこんでいる
- ヘタの切り口(軸)が小さい
- 果皮のだいだい色が濃く、ハリがある
- 形が横長で扁平
ガクが黄色くなったりおしり側がへこんだりしているみかんは、熟して甘さが増しているみかんです。ヘタの切り口の小ささは味の濃さ、果皮の色やハリは糖分の多さとみずみずしさを反映しています。
形が横長で扁平なものは、一般的に重量感があり糖度が高いといわれています。
糖度の高いみかんの品種
みかんの品種は収穫時期によって早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)に大別されますが、その中でも多くの品種があります。それぞれに特徴があり、好みによってさまざまな味を楽しめますが、ここでは糖度の高さがウリの品種をご紹介します。
させぼ温州
長崎県で発見・育成された「させぼ温州」は、12月頃に旬を迎える中生のみかん。じょうのう(薄皮)も薄く食べやすいうえに、糖度が高くなりやすい品種です。
JA長崎せいひのブランドみかん「長崎味ロマン」をはじめ、長崎県の統一ブランド「出島の華(でじまのはな)」や「長崎恋みかん」の品種となっています。
原口早生
11月頃から旬を迎える早生みかん「原口早生」。原口早生は長崎県の主力品種でもあり、甘さと酸味のバランスが良いのが特徴です。一般的な早生品種の糖度は10度前後ですが、食べ頃を迎えた原口早生は甘みが強くなってきます。
させぼ温州同様、長崎味ロマンや長崎恋みかんの品種です。
まとめ
この記事では、みかんの糖度について詳しく解説しました。糖度が高いみかんが美味しいと思われがちですが、必ずしもそうではありません。みかんの美味しさは甘さと酸味のバランスが重要です。
購入する際は皮の色やハリ、形など糖度の高いみかんの特徴を見極めて美味しくて甘いみかんを選びましょう。確実に糖度の高いみかんを味わいたいなら、光センサーによる糖度測定をおこなうみかんや、一定の糖度を満たしているブランドみかんがおすすめです。
旬の時期を逃すことなく、美味しいみかんを堪能してくださいね。