私たちの健康維持に必要な栄養素がたっぷり含まれる豚肉。その栄養価は部位によって異なります。今回の記事では豚肉の部位ごとの特徴や栄養価について詳しく解説します。豚肉の栄養を効率よく摂取するための食べ方などもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みいただき、健康的な食生活に役立てください。
豚肉が持つ栄養素とその効果
豚肉は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルといった栄養素が豊富に含まれています。
たんぱく質は筋肉や皮膚などの材料となるほか、酵素やホルモン、免疫機能に不可欠な抗体の成分として体内に存在する栄養素です。
また、ビタミンのうち特に豊富なのがビタミンB1。ビタミンB1は、糖質からエネルギーをつくり出す反応経路に関与し、疲労回復や肌の健康維持をサポートします。ミネラルは鉄が豊富で、貧血予防に有効です。
豚肉を摂取することで、たんぱく質やビタミンB1などを効率良く補給できます。
豚肉の部位ごとの特徴や栄養価
ひと口に豚肉といっても、ももやバラ、ロースなどさまざまな部位があります。それぞれの特徴や栄養価を見ていきましょう。
豚肩ロース
豚肩ロースは豚肉の中でもジューシーで柔らかい部位。絶妙なバランスで脂が入っており、旨味やコクが感じられます。角切りや薄切りなどで、さまざまな料理に使われています。
100gあたりに含まれる主な栄養素とその含有量は以下の通りです。
- エネルギー:237kcal
- たんぱく質:17.1g
- 脂質:19.2g
- ビタミンB1:0.63mg
- ビタミンB2:0.23mg
- ナイアシン:3.6mg
豚ロース
豚ロースは豚の背中部分にあたる部位で、適度な脂を含み柔らかいのが特徴です。栄養価は肩ロースと近く、比較的脂質の含有量が多いため、カロリーを抑えたい方は食べ過ぎに注意しましょう。
100gあたりに含まれる主な栄養素とその含有量は以下の通りです。
- エネルギー:248kcal
- たんぱく質:19.3g
- 脂質:19.2g
- ビタミンB1:0.69mg
- ビタミンB2:0.15mg
- ナイアシン:7.3mg
豚バラ
豚肉の中でも特に脂肪が多い部位であるバラは、ジューシーで脂の旨みが感じられる部位です。ソテーや煮込み料理などさまざまな料理に用いられますが、ロース以上に高カロリーなので、適度な摂取が推奨されます。
豚バラ100gあたりに含まれる主な栄養素とその含有量は以下の通りです。
- エネルギー:366kcal
- たんぱく質:14.4g
- 脂質:35.4g
- ビタミンB1:0.51mg
- ビタミンB2:0.13mg
- ナイアシン:4.7mg
豚ヒレ
豚肉の中でも最も柔らかな部位とされる部位が豚ヒレです。低脂肪でヘルシーなヒレは鉄やビタミンB1が、他の部位より多く含まれています。また、脂肪が少ない分たんぱく質も豊富なので、筋力アップを目指す方やダイエット中の方にもおすすめです。
豚ヒレ100gあたりに含まれる主な栄養素とその含有量は以下の通りです。
- エネルギー:118kcal
- たんぱく質:22.2g
- 脂質:3.7g
- ビタミンB1:1.32mg
- ビタミンB2:0.25mg
- ナイアシン:6.9mg
- 鉄:0.9mg
豚もも
豚もも肉は比較的低脂肪でヘルシーな部位なので、カロリーコントロールが必要な方にもおすすめ。あっさりとした味わいで、どんな料理にも活用しやすいことも特徴です。
豚もも100gあたりに含まれる主な栄養素とその含有量は以下の通りです。
- エネルギー:171kcal
- たんぱく質:20.5g
- 脂質:10.2g
- ビタミンB1:0.90mg
- ビタミンB2:0.21mg
- ナイアシン:6.2mg
- 鉄:0.7mg
豚肉と牛肉・鶏肉との栄養価の比較
豚肉と並び、食卓に上る機会の多いお肉が鶏肉や牛肉。より栄養価が高くヘルシーなお肉はどれなのか、気になったことのある方も多いでしょう。
やはりどの肉でも部位によって栄養価は異なりますが、もも肉で比較してみると以下のようになります。
カロリー | たんぱく質 | 脂質 | ビタミンB1 | ビタミンB12 | 葉酸 | 鉄 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
豚もも肉 | 171kcal | 20.5g | 10.2g | 0.90mg | 0.3mg | 2μg | 0.7mg |
牛もも肉 | 235kcal | 19.2g | 18.7g | 0.09mg | 1.2mg | 8μg | 2.5mg |
鶏もも肉 | 190kcal | 16.6g | 14.2g | 0.10mg | 0.3mg | 13μg | 0.6mg |
牛もも肉は脂質の含有量が多いことから、豚もも肉や鶏もも肉よりも高カロリーです。ビタミンB1は豚肉に最も多く、牛もも肉や鶏もも肉にはあまり含まれていないことが分かります。牛もも肉にはビタミンB12と鉄、鶏もも肉には葉酸が多く含まれています。
ビタミンB12と葉酸は造血に関わるビタミンであり、鉄とともに貧血予防には欠かせません。
たんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなど健康維持に必要な栄養素を摂取するためには、豚肉、牛肉、鶏肉をバランスよく摂取することが大切です。
2024年お肉ランキング
※2024年1~8月のデータ豚肉の栄養をより効果的に摂取するコツ
豚肉の栄養価を活かすためには、相性のいい食材との組み合わせが重要です。例えば、ビタミンCが豊富なピーマンやパプリカ、ブロッコリーなどの野菜と一緒に摂取することで、鉄の吸収が高まります。
ビタミンB1の吸収を高めるなら「アリシン」を含む食品と一緒に食べることもおすすめです。アリシンはねぎや玉ねぎ、にら、にんにくなどに含まれています。
また豚肉のカロリーが気になるなら、湯通ししたり蒸したり、グリルやオーブンで焼いたりといった調理方法によって余分な油を落とせます。
まとめ
豚肉は部位ごとに栄養価が異なりますが、たんぱく質をはじめ各種ビタミン・ミネラルが摂取可能です。また牛肉や鶏肉と比べても、豚肉の優れた点は多く存在します。
相性の良い食材を組み合わせたり、調理方法を工夫したりすることでより健康に役立つ豚肉。豚肉を食べて、体に必要な栄養をしっかり補給しましょう。